第23回大会長  
清水 裕子

                日本リハビリテーション連携科学学会

                第23回大会長     清水 裕子

 日本リハビリテーション連携科学学会第23回大会を,国立大学法人香川大学で開催させていただきますことに,謹んで御礼を申し上げます。
 本学会は1999年に設立され,2019年には第20回の節目を迎えました。
折しも,第21回大会がコロナ禍にあって正に新しいあり方を示すこととなり,第22回大会はニューノーマル時代の連携を提案しました。
 その流れから,第23回では,ニューノーマル時代のクライエントと専門職のエンパワメントに着目いたします。今後のwith COVID-19,post COVID-19においても専門職がクライエントにポジティブな影響を及ぼす側面として,クライエントの実存的苦悩であるスピリチュアルペインとスピリチュアルケアコンピテンシーを取り上げ,これからの時代におけるコメディカルの『癒しのちから』の課題について,説明を試みます。
 健康なときには気づかないスピリチュアルニーズは,一旦生命が脅かされると明確になり,人は「なぜこの病気になったのか」,「なぜ苦しまなければならないのか」を問う存在になります。この生きる意味への問いであるニーズが満たされなければ,霊的な苦しみ,つまりスピリチュアルペインが生じます。このペインを専門職のかかわりは,癒やしています。しかし,専門職は与える存在のみならず,専門職自身もクライエントの苦悩を共有し,苦しみます。その専門職の苦しみは善なるものとして,クライエントを癒やすことができるとの考えが,スピリチュアルケアにはあります。そのスピリチュアルケアを行う能力をスピリチュアルケアコンピテンシーといいます。スピリチュアルケアは,「そばに居ることを必要とし,to do(~すること)ができなくても,沈黙の中にも,to be(ただそばにいること)によってクライエントの苦しみに共感し,聴きとり,苦しみを癒やすこと」ができます。
 本大会は,オンライン開催となりました。誰も3年続けてのオンライン開催を予想していませんでした。コロナ禍の医療者の労をねぎらうための,瀬戸内海の温かい渚で穏やかな汐風の中での分かちあいを準備していました。残念ですが、皆様には別の機会にどうぞ香川へお越しください。今や出口が予測できないコロナ禍にあって,それでも我々は働きかける専門職であり続けます。
 今大会は,仮想空間での小さな集まりではありますが,一つの小さな灯が暗闇を照らすように,生活に不自由さや苦悩を抱える方々のための,新しい希望を手にすることができれば,大きなみのりであろうと思います。
 皆様のご参加をお待ちしています。